アルマイト仕上げ(あるまいとしあげ)
アルミニウムの耐食性を高めるため、素材表面に陽極酸化皮膜を生成する処理のことであり、戦前に日本で開発されました。
本来は商品名ですが、今日では陽極酸化皮膜を用いる処理を一般にアルマイト(Alumite)と称しています。
アルマイトの製法は、アルミニウムを硫酸やシュウ酸などの酸溶液中で陽極として直流電流を流し、水が電気分解して発生する酸素とアルミニウムを反応させます。
すると表面に多孔質で電気絶縁性の大きい酸化アルミニウム被膜が生成されます。
この酸化アルミニウム被膜を、高温高圧の水蒸気中にさらすことにより、水分を含ませると孔がふさがって耐食性が得られる。
アルマイト仕上げをされた製品の代表的なものとしては調理用品や金属バットがある。
硬質アルマイトは、アルマイト処理において電解浴の温度を摂氏0~5度と低温にし、電流密度を高くして、低合金アルミニウムを陽極として酸化処理する製法で、これにより硬くて厚い皮膜がつくられます。
硬質アルマイトでは、アルミ素材に比べ数倍から20倍程度の硬度が得られるほか、摩擦係数が少ないため耐摩耗性、潤滑性に優れ、航空機部品として多用されている。
近年はその軽く耐摩耗性に優れた特徴を生かし、機械部品としてもその用途が広がっているほか、高い電気絶縁性を利して電子部品にも用いられる処理である。他、航空機部品、機械部品など。
アルマイト、つまり陽極酸化処理とは、アルミニウムを陽極(+極)で電解処理することで人工的にアルミの酸化物(酸化皮膜)を生成させる表面処理することです。アルマイトの主成分はAl2O3(非晶質アルミナ)であると言われています。
アルミニウムは酸素と結びつきやすく、空気に触れていると非常に薄い酸化皮膜を作ります。
一般的に錆びにくいのですが、この自然に作られる皮膜で保護されているのでいわゆる耐食性が良いといわれています。しかし、この皮膜は非常に薄いのが特徴で、化学反応で環境によっては腐食してしまうのです。
そのためアルマイトが必要となります。(表面を保護する表面処理こと)
「アルマイト(Alumite)」は理化学研究所によってアルミニウムに対するシュウ酸水溶液中の陽極酸化処理法の研究がなされ、
アルミニウムの陽極酸化皮膜を応用して作ったいろいろな物品につける名前として1931年に商標登録されたのです。
現在の国内ではアルミニウムの陽極酸化処理や、処理によって得られた酸化皮膜を総称して「アルマイト」は、使われています。
日本工業規格としてはJIS H8601「アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜」ISO7599対応、JIS H8603「アルミニウム及びアルミニウム合金の硬質陽極酸化皮膜」(ISO10074対応)及びJIS H0202「アルミニウム表面処理用語」(ISO7583対応)があります。
酸化アルミニウムは硬くて耐久性に優れていますが、溶解したり腐食する場合が強酸や強アルカリに対してはあります。
また、アルミニウムはイオン化傾向の高い金属であるがために、安定な酸化物であったとしても、海水や醤油に曝される場合、
または、銅鉄などの金属に湿った状態で接触すると腐食しやすくなったり、促進を促します。
家庭用製品には弁当箱はアルマイトを利用しています。鍋ややかんなどが存在します。
アルミニウム製の建材ですと電車や航空機の内装品、光学部品、光学部品、自動車部品、半導体部品、医療機器、照明機器、各種のネームプレートや化粧板などに幅広く用いられています。
アルマイト処理にも種類があり、その種類によって皮膜の性能をある程度調整することが可能です。
部品の用途や皮膜の要求性能に合わせて表面処理の種類を選ぶ事が重要です。
アルマイトの皮膜の厚さは、電解液中で通電した際の単位面積あたりの総電流量によって凡そ決まります。
アルマイトは図のようなハニカム構造をしており、一つ一つの微細孔(ポア)の直径は数十ナノメートルになります。
微細孔の 長さは皮膜の厚さとほぼ一致しますが、皮膜底部(アルミ素地側)にはバリア層が存在し、貫通はしていません。
アルマイトの 主成分は酸化アルミ(アルミナ)ですが、母材となる合金の成分や、電解液組成分が若干含有されているのです。
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