用語集

用語解説集

押出材(おしだしざい)

ダイス金型を通して加熱されたアルミ合金を押し出すことにより形状が成形されたものです。

製造プロセスとしての利点は、非常に複雑な断面形状を形成できる点と、素材にかかる応力が圧縮応力とせん断応力だけであるためもろい素材も成形できる点です。
また、押し出された表面は非常に滑らかになり仕上げが不要です。

一般に押出成形される素材として金属、重合体、セラミックス、コンクリート、食品などがあり、アルミサッシのようなアルミニウム製品の加工で多用されています。
材料はまた、後で記載します。

理論的には無限に長い物体を形成でき、実際にも多数の部品を連続的に製造できます。
押出成形プロセスは熱い素材にも冷たい素材にも適用可能です。

単純な押出し用金型では中空部分のある断面形状を形成できません。
中空部分を形成する金型の部分をセンターピースと呼ぶが、単純な金型ではセンターピースを固定できないためです。
一般に金型はある程度の厚さがあるので、最終的な穴の形状が中空部分のある断面形状になるようにし、素材を押し付ける側でセンターピース部分を保持できるように形成しておけば、中空部分のある断面を形成できます。
なので、そのような金型は厚みの方向に沿って穴の形状が徐々に変化することになります。

プロセスとしては、
まず、材料を熱することから始めます。
次にそれを圧力をかけられる容器に入れます。
容器の一端には金型があるので、もう一方から材料を金型に押し付けるため、ダミーのブロックをそちらに置き、それに何らかの駆動力で圧力をかけることで金型から材料が押出されます。

金型の材料を押し付ける側の断面積を最終的に材料が出て行く側の穴の断面積で割った値を「押出し比 (extrusion ratio)」と呼ばれています。
プロセスの種類は熱間押出、冷間押出、温間押出があります。

押出加工装置には様々なものがあります。
主に次の4点で分類されています。
1.押出しに際してどの部分が動くのか。
容器が固定されていて一方から圧力をかける方式を「直接押出」
金型のみを固定して容器全体を移動させる方式を「間接押出」といいます。
2.垂直方向に圧力をかける場合と水平方向に圧力をかける場合に分けられる。
3.駆動力による分類。液圧式と機械式がある。(液圧押出)
4.押し方による分類。普通の方式と液圧式がある。
(コンフォーム押出)

押出す素材
・金属・・・アルミニウム、銅、鉛とスズ、マグネシウム 、亜鉛、鋼 、チタン
・合成樹脂・・・チップやペレット
・合成繊維
・セラミックス
・食品・・・パスタやビーフンなどの麺類、シリアル食品、お菓子、フライドポテト、ベビーフード、ペットフードなど

押出成形で食品を製造する場合、次のような利点があります。
・デンプンを糊化する。
・タンパク質の変性する。
・生の食品にある酵素が非活性化する。
・天然の毒素を破壊する。
・製品内の微生物を減らす。

設計
押出し断面の形状は押出しの容易さに対して重大な影響を与えます。
押出し断面の形状を囲む最小の外接円の直径は必要な金型の大きさに直結し、それによって使えるプレス機械が制限されることになります。
大型のプレス機では、アルミニウムでは直径60cmほど、鋼やチタンでは直径55cmほどまで可能です。
押出し形状の複雑さを大まかに定量化する数値として「形状係数」があり、単位質量あたりの表面積で表されます。
形状係数は器具のコストや生産性に影響します。

厚い部分は一般に金型の入口も大きな穴が必要です。
素材がうまく流れるようにするには、マンドレルを支える脚部の長さを厚さの10倍未満にするのが望ましいです。
断面形状が非対称な場合、隣接する部分はなるべく同じ大きさにするのが望ましいです。
鋭い角は避けるべき。
アルミニウムとマグネシウムでは、角の最小半径は0.4mm以上、鋼では0.75mm以上にすべきで、角の内径は3mm以上にすべきです。

アルミニウム合金の押出成形でのダイスからの流出速度の調節は、ダイスの狭隘部である「ベアリング部」の形状でも行われます。
チョーク角を持った「チョークベアリング」ではメタルフローが遅くなり、リリーフを持った「リリーフベアリング」ではメタルフローが早くなります。
金属素材の流速を適正にコントロールすることは、単に素材内での流速の不均一性の低減がクラックの発生を抑えるだけでなく、摩擦で生じるダイスの加熱を抑えて変形量を設計範囲内に収める事を目的としています。

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