用語集

用語解説集

アンダーカット

溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、アーク溶接の溶接部の欠陥に定義される用語の一つです。
溶接の止端に沿って母材が掘られて、溶着金属{溶加材から溶接部(溶接金属及び熱影響部を含んだ部分)に移行した金属}が満たされないで溝となって残っている部分のことで、溶接欠陥の一種です。

溶接技術の分野において術語として用いられる溶接用語で、溶接一般の溶接方法に定義される用語の一つです。
溶接方法としては、融接に分類される溶接方法の一種で、アークの熱を熱源として行う溶接のことです。

一般的に、電極と母材間にアークを発生させて、そのアークに伴うアークエネルギーで母材と溶加材を溶融させ、溶接ビードを形成します。

溶接欠陥は, ①内部欠陥と②表面欠陥に大別することができます。

・ 内部欠陥の種類

ブローホール(溶接金属内にガスが残留したため、空洞が生じたもの)
スラグ巻込(スラグが溶接金属内に残留したもの)
融合不良(溶接金属と母材または溶接金属と溶接金属が融着していないもの)
溶込不良(溶接金属がルート面に達しなく、開先の一部がそのまま残ったもの)
割れ(応力・切欠き・溶接熱の影響等が重なり発生)

【表面欠陥の種類】

目違い過大
外観粗悪(過度な凹凸)
のど厚不足
ピット(ビードの表面に生じた小さなくぼみ穴)
オーバーラップ(溶接金属が母材に融合しないで重なるもの)
アンダーカット(母材の表面と溶接金属の表面と接する部分に生じる溝)
割れ(応力・切欠き・溶接熱の影響等が重なり発生)

【欠陥防止の留意点】

溶接欠陥を防止するためには, 以下に留意することが重要にっていきます。
 (1) 作業条件に応じた溶接棒の選定および溶接棒の乾燥管理。
 (2) 開先面および周辺の錆・土砂・ゴミ等を除去清掃。
 (3) 溶接作業空間の確保(原則として管周から80㎝以上)。

【欠陥部の補修方法】 溶接継手内に発見された有害な内部欠陥は, ガウジングで十分取除き, 本溶接と同様の方法で慎重に再溶接を行います。
有害なアンダーカット等の表面欠陥は, 本溶接と同種の溶接棒で肉盛りし, 母材にキズが生じないように注意してグラインダなどで仕上げを行っていきます。

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